待望のレコーディング

8月の暑い最中、3日間かけて僕が主宰する古楽アンサンブル “ソナール・カンタンド” の初のレコーディングをしました。

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メンバーは我が家に泊まり、長丁場の鋭気を養いつつ、まるで合宿の様な雰囲気でした。(笑)

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今回のレコーディング内容は、2008年に始めた「ケルティック・バロック」のシリーズから選曲しました。これまでに「海を渡るイタリア人との邂逅」(2008年)、「憧憬のカレドニア」(2009年)、「ケルティック・クリスマス」(2011,2012,2013年)と回を重ねてきました。

僕がケルト音楽に接したのはまだ大学生時代。コカリナというハンガリーからやってきた楽器を吹いていた頃の仲間の紹介で、ホイッスルに接し、大宮のアイリッシュパブでセッションしたのがきっかけでした。
初めは自分の楽しみの為だったのですが、アイリッシュミュージックの中で吹かれるアイリッシュフルートの力強いかっこよさに惹かれ、フルートでもこんなに躍動的に吹けるんだと思い、はまっていきました。
でもまさか自分の専門である古楽との結びつきは考えていませんでしたが、その後、Baltimore Consortというアメリカの古楽グループ、その中で吹いていたChris Normanというカナダのフルート吹きの演奏に接して、バロックにおけるケルト音楽の可能性を知る事となり、資料を集め、調べ始めました。

すると、出るは出るは。今でもアイリッシュミュージックで良くオキャロランを演奏しますが、彼はバロック時代の盲目のハーピストですし、1707年にはスコットランドとグレート・ブリテン王国が統合。それをきっかけにロンドンでスコットランドブームが興り、パーセルなどは劇音楽の中などにスコットランド風の旋律を書きました。それは如何に当時聴衆の中にスコットランドの音楽が流行していたかが分かります。
更にはイタリアの作曲家バルサンティはスコットランドに渡りスコットランド人の妻を娶ってますし、ヴァイオリン教本で有名なジェミニアーニは、自身の「趣味のよい音楽技法」という教本の例題は全てスコットランド民謡を使用しています。

これは音楽史の勉強をしているだけでは見えてこなかった、当時の生き生きとしたロンドンの音楽事情があるという事です。
古楽を志すものとして、音楽史の中に名を残す作曲家を取り上げる事は当然ですが、それはあくまで当時の一つの側面であって、もっともっと多くの音楽シーンがあったと思います。

この様な事は、今回CDの解説を依頼した高松晃子先生がとてもお詳しいです。
高松先生は聖徳大学の教授で、出会いは先生の著書「スコットランド 旅する人々と音楽ー私を証明する歌」を手にとり、面白くて、この方にコンサートの解説をお願いしたいと、勤め先である聖徳大学まで押しかけたのが始まりでした。その後、まさか自分が聖徳大学に勤め、同僚となるとは、当時は思いもよりませんでしたが。人生とは不思議なもんです。
高松先生には、その後も解説を依頼したり、著書『音楽学研究室の放課後―10年間の暴走日記』(ヌース出版)に僕らの事を書いて下さってます。
今回CDの解説も楽しみの一つです。

というわけで、今は編集作業に入り、クリスマス前の発売を目指しております。

アカデミックなものをベースとしながらも、宮廷で演奏した後にパブに立ち寄って、気ままに演奏したようなフォークさも加味しています。
皆さん是非聴いて下さい!!
m(._.)m

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バリトン歌手
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