アゴラという音楽

本番という日は来るものです。遂にOrchester & Chor AGORAの第5回演奏会の日。気持ちよく晴れ渡った晴海埠頭にある第一生命ホール。そして演目はベートーヴェンの大曲ミサ・ソレムニス 二長調 Op.123です。

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僕はソロだけでなく、合唱指揮としてアゴラに関わってきました。前回のシューベルティアーデの後に告げられたミサソレ。36名の合唱団にはあまりにも大曲。なんせ第九を3回、いや4回位は歌うくらいあるのではと思われる合唱パート。最初はやれどやれど先が見えない位。しかもソプラノにはいつも歌っているメンバーが今回に限ってそれぞれの都合で出演できないという誤算もあり、これはヤバイぞという危険信号が灯りつつありました。そしてテノールはたったの5人!?

しかしアゴラはやってくれました!!!

アゴラメンバーは素晴らしい人材が揃っており、一人一人の意気込みが違います。音楽が体に入ると格段に声が出てきて、この難曲で音楽を響かせ始めました。

ベートーヴェンは良く歌を理解していない。声には過酷な音をバンバン書いていると言われています。
しかし、僕はそんなベートーヴェンの音楽にはちゃんと理由があると思っています。定型化され、儀式化されていたミサ曲の分野で、ベートーヴェンはキリスト教という一つの宗教を超えた自分と神という関係を、1人の人間の感情として表現し、十字架を負ったキリストの苦難を、自らと重ね、これでもかと神へ問いかけた末に訪れた平安、救い、感謝を音楽に乗せました。

アゴラはそれを見事に表現しました。Credoの疾風怒濤のフーガも勢いあり、力強いアーメンには痺れました!
そして天国にも登らんばかりの美しきBenedictus。
これはミサ曲というジャンルを超えた、ベートーヴェンの人間としての生き方そのものではないかと思いました。

僕は最初の合唱指導の際、この大曲に挑むにあたり、決して「ミサソレをやりました」というだけの単なる記念公演にしてはならないとメンバーに言いました。音楽を表現してこその演奏でなければならないという意味を込めて。
しかしアゴラは見事に表現し、これからのアゴラとしての音、声、音楽を目指す意義を持たせた「記念公演」にしました。

もちろん、課題は残りました。しかしその課題が見えるという事は、次のステップに進んだという事です。

アゴラはオーケストラと合唱が分かれた2つの団体ではなく、1つのユニットなのです。それは合唱の練習にオケが有志で参加し、合唱がどのようにフレーズを歌い、どんな歌詞を歌っているかを知る。合唱はオケのどの楽器とアンサンブルをし、どの楽器が自分のパートと同じ動きをしているかを知ろうとする稀有な団体です。
その活動は今月号の音楽の友誌でも紹介されています。

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(ちょっとボケてますが、詳細は雑誌を見てください)

そしてそのアゴラを率いるのがマエストロ長田。いつもながらマジックの様にオケや合唱を引っ張り、表現を高めていく様は凄かったです。圧巻でした。

僕は嬉しい事に、そんなアゴラ発足の第1回からソロを歌わせてもらっており、ソロがないメンデルスゾーンの讃歌からは合唱指揮として関わらせて頂いております。これから進むアゴラの道のりを応援し、そして支えていきたいと思います。

皆、本当におめでとう!!!
そしてこれからのアゴラに幸あれ!!

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(マエストロ長田を囲んで)

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バリトン歌手
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