責任感

本日無事に帰国しました。ニューヨークでの滞在はとても有意義で、感動に満ちたものとなりました。

26日は今回の目的である本番の日。リンカーンセンター内のアリス・タリー・ホールAlice Tully Hallが会場。ジュリアード音楽院のホールで、約1000人収容のものすごく良い響きでした。

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今回の公演は”Enjoy Japan Festival”というタイトルで、日本からは花柳流の日本舞踊と我々の「この灯を永遠に」、「紫金草物語」。アメリカからはACDS Dance Troupeというダンスグループから障害児によるダンス、Inspirational Voices of Abussinian Chirchというゴスペルグループが参加し、日米のダンス&音楽交流というものでした。

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「この灯を永遠に」は、作曲家である安藤由布樹さんが脚本を手掛け、戦時中、福岡の星野村から広島の部隊に出征し、原爆によって被爆された実在の人物山本達雄さんの話を題材とした劇的カンタータです。
アメリカの爆撃機が広島で原爆を落とし、広島にいた叔父も亡くした達雄さんは、何日も燃え続けた火を懐炉に移し替え、星野村まで持って帰り、怨みの火として燃やし続けました。しかし燃やし続けているうちに、「怨みを持って復讐すると結局はまたその報復を生む」ということに気づき、この火をもう2度と人を殺す事のない平和の象徴としていこうと思い直し、日本は勿論、10年前にはアメリカの国連までその灯が海を越えました。
今年はその10年目という記念の年に、音楽が海を渡り、アメリカ・ニューヨークの地で演奏されたのです。

そして僕は主役・山本達雄役を歌いました。この役は大学生の時から歌っており、もう亡くなられた山本達雄さんご本人の前でも歌わせて頂いた、僕にとっても思い入れのある曲です。
それをなんとアメリカで演奏する。
なんと重い責任であったか。
いい演奏、いい歌を歌う以前に、この平和の想いが込もった音楽をちゃんと伝えられるのだろうかという不安が、日本で演奏する以上に僕の心身を引き締めました。

基本は我々の言葉である日本語で。そして曲も最後に差し掛かった所に、祖母キクに問いかける様に、今回のテーマである言葉を英語のセリフで語りました。

If I return chagrin with spite, it will be my children who will weep tomorrow. If I return chagrin with hatred, it will be my grandchildren who will weep tomorrow. I must not have hatred.
無念を怨みで返すなら、明日涙を流すのは、わしの子供達… 無念を怨みで返すなら、明日涙を流すのは、わしの孫たちじゃ… 怨んではいかん…

I have this flame! If people can pledge peace together, surrounding the flame. I was right, wasn’t I? wasn’t I? Grandmother!
わしはこの火を!この火を囲んで、皆が共に平和を誓い合う事ができたら。
わしは間違ってはおらんとじゃろう?そうじゃろう?ばあちゃん!!

The flame, which was nurtured and watched over in Hoshino,
Finally took flight into the world…
It traveled to anywhere in the world where there were peace-loving people.
And surely, a day will come when it will unite together the yearnings of all the people of the world.
That is my real desire!
星野で育ち、星野で守り続けられた灯は、いよいよ世界へ向けて巣立っていこうとしている。平和を願う人がいるところへならばどこへでも。やがては地球に住む人々みんなの願いを結ぶ日がくるじゃろう。それが私の本当の望みですたい!!

僕の拙い英語でしたが、気持ちは伝わったかなと思ってます。
そして合唱団は、日本人が被害者だけではなく、日本人が加害者となった南京大虐殺をテーマとした「紫金草物語」も同時に演奏し、まさにこのセリフの様に、怨みの連鎖を皆で断ち切ろうという願いを込めました。

勿論、現在日米間ではこんな問題はありません。でも世界を見たら、未だこの様な事が起こっている所もあります。戦争を知らない僕たちは、それを理解し、歌に乗せて気持ちを共有できたらと思います。

ゴスペルグループの指揮者は、我々の平和の想いはゴスペルだと言い、舞台の最後に出演者全員で歌いました。
“He’s god the whole world in his hand.”

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こちらはリハーサルの写真ですが、本番では会場のお客様も応援の手拍子をして、会場一体となって感動のうちに幕を閉じました。

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作曲家の安藤由布樹さんと、祖母キク役の新南田ゆりさんと共に。

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バリトン歌手
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