意外な共通点

昨日は表参道のまだ新しいアリストホールで、コンサートでした。義姉が企画し、「古と新」というタイトルで初期バロックのモンテヴェルディや、カッチーニ、そしてバッハから、一気にピアソラまで。それをピアノとクラリネット、マリンバという珍しい編成で。

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3人では地元佐倉市や、江東区などでも演奏し、僕はゲストという事で今回のみ参加。前半ではモンテヴェルディの「黄金なる髪よ」というオスティナートの乗りのいい恋歌を、歌と19世紀フルートで演奏し、後半ではピアソラの名曲「オブリビオン(忘却)」と歌曲の代表曲「バチンの少年」を歌いました。

タンゴは昨年3月に初めて歌い、それ以来凄くはまっていますが、実は歌いながら意外な共通点を感じてるんです。
ルネサンス後期からバロック初期にかけて打ち出されたモノディー。歌詞を重視し、”recitar cantando”という歌いながら語り、演ずる様式。モンテヴェルディはマドリガーレ集第八巻の序文で「魂が刻む情感のタクトゥス(拍)で歌いなさい」という言葉が、タンゴの歌にも感じるんです。また鍵盤作曲家であるフレスコバルディも、トッカータ集第一巻の序文で「感情や歌詞の意味に沿ってテンポを速めたり緩めたり、途中で止めたりすれば…」と言っており、初期バロック時代には表現を第一とした「自由リズム」が重要だったのです。(勿論器楽曲にはダンスを意識したリズムのものもあります。)

僕が大好きなアルゼンチンタンゴ歌手でロベルト・ゴジェネチェという人がいます。歴代のバンドネオン奏者でも最高とまで言われるアニバル・トロイロの下でその名を轟かせた名歌手ですが、彼はまさに歌うというよりは語る感じ。特に晩年にピアソラとの録音は最高です。彼を研究するため、若い頃の録音も聴きましたが、若い頃はやはり晩年より歌ってはいますが、その中には既に絶妙のルバートが感じ、まさにこの魂のタクトゥスに通じるものがあります。20世紀前半のヒストリカル録音を聴くとクラシックにもその感覚が残っていると感じますが、時代の変化と共に地方地方の音色や、音楽性が画一化されていったように感じます。勿論、全ての様式がそうではないので、演奏する僕らは各様式をまぜこぜにしない様に気をつけなければなりませんが、その画一化はこれまで遠かった国が、交通機関の発展で近くなり、様々な人種が入り混じったせいも大きいと思います。(そういう僕も、日本人でありながら西洋の音楽をやっているからそれに加担した1人でありますが)

話が逸れましたが、今後もタンゴに挑戦して行きたいと思います。

アンコールはコーヒー・ルンバという愛称で有名な「コーヒーを挽きながらMoliendo café」を歌いました。

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参考にしたミーナが歌っている映像が無茶苦茶気に入ってしまい、そのコケティッシュな仕草にすっかり惚れてしまいました!皆さんも見て下さい!!
Mina “Moliendo café”

次にタンゴを歌える日を楽しみに!!

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バリトン歌手
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